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<衆院選>「刺客」9人が当選 「漁夫の利」民主は4人
郵政民営化法案に反対票を投じ、自民党公認を得られなかった前職が立候補した33小選挙区は、反対派と与党候補がほぼ議席を分け合った。「漁夫の利」を狙った民主党は4議席にとどまり、今回の衆院選を象徴する結果になった。特に目立つのは自民党が小泉純一郎首相を中心に人選を進めて送り込んだ「刺客」の健闘ぶりだ。「落下傘候補」が多く、知名度が低い中でのスタートだったにもかかわらず、「小泉効果」に乗って9人が当選を果たした。
自民党は33小選挙区のうち31選挙区で公認候補を擁立。東京12区は太田昭宏氏(公明)を与党統一候補として推薦し、広島6区の堀江貴文氏(無所属)は公認候補並みの支援をした。
「刺客」は堀江氏を含めて25人。反対派と互角の選挙戦を展開する候補が多く、東京10区の小池百合子氏、奈良2区の高市早苗氏、福岡10区の西川京子氏らの「女性刺客」を中心に続々と当選を決めた。静岡7区の片山さつき氏は「劣勢」との事前予想を終盤に覆し、城内実氏(無所属)らをおさえた。
反対派のうち無所属は27人。選挙地盤の強い秋田2区の野呂田芳成氏、岡山3区の平沼赳夫氏、佐賀3区の保利耕輔氏ら13人が当選を決めた。「女性対決」の岐阜1区は野田聖子氏が「刺客」の佐藤ゆかり氏を振り切った。しかし、衆院選後の政治活動には展望が開けてはおらず、当選議員の一人は「私は当選したが、勝った気がしない」と語った。
国民新党の4人では広島6区の亀井静香氏が堀江氏、佐藤公治氏(民主)に競り勝った。自民党幹部は「当初の懸念通り、堀江氏が民主票を食い、むしろ亀井氏に有利に働いた。亀井氏が『漁夫の利』を得ることになった」と分析した。富山3区の綿貫民輔氏は地力を見せたが、青森4区の津島恭一氏、島根2区の亀井久興氏は及ばなかった。新党日本の東京10区の小林興起氏、奈良2区の滝実両氏はそれぞれ「女性刺客」に敗れた。
民主党も31選挙区に候補者を擁立したが、自民党が郵政民営化をめぐって分裂した「敵失」を生かしきれなかった。選挙戦では「刺客」の勢いに押される形となった。【末次省三】
「刺客」9人が当選 「漁夫の利」民主は4人(Yahoo! News)
(2005年9月12日)